デンタルトピックスQ&A

1. 目には歯を?


私自身もびっくりしました。目の治療に歯を使うなんて! これはスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)と診断された患者さんへ行った手術例です。

スティーブンス・ジョンソン症候群とは、突発的に皮膚、粘膜、眼が火傷状態となる重症型副作用です。解熱鎮痛剤、抗生物質、市販の風邪薬等ごく一般に使用している薬が原因となると言われております。

全身のかゆみと伴に皮膚に赤い発疹が現れ高熱を発します。特に唇や口腔粘膜がただれ、眼の充血が顕著に現れます。涙腺も障害を受けるためドライアイになり、徐々に角膜が障害され視力を失っていきます。
従来の角膜手術はドライアイの患者さんには適応にならないそうです。
そこで欧州では既に定着している歯根部利用人工角膜(osteo-odonto-kerato-prosthesis : OOKP)という手術を日本で初めて近畿大学の眼科と口腔外科の合同チームで行い成功したとレポートです。
大変申し訳ありませんが、私自身この手術を正確に理解していないので、簡単に説明させていただきます。

まず、神経を抜いたり、虫歯の治療をしていない犬歯(糸切り歯)をその周囲の骨ごと切り取ります。それを軸方向に骨と歯が厚さ3mmの1枚の薄板になるようにスライスします。
この薄板が人工レンズの基台となり、歯髄(歯の神経が入っている管)の部分に穴をあけ、ネジのような形状の人工レンズを通し歯科用セメントで接着するとのことです。
そしてできあがったレンズユニットを直ちに移植を行わない側の眼輪筋に挿入し肉芽組織を周囲に形成させます。その時に生きている歯髄が重要な鍵になるそうです。一方移植を行う眼は口の中の頬粘膜を円形に採取して眼の表面を強固に縫い合わせます。2〜3ヶ月後その粘膜をまくりあげ、患者さん自身の角膜中央に穴をあけて、虹彩、水晶体と硝子体の一部を切除してレンズユニットを角膜に固定するとのことです。
そして術後1ヶ月で視力は1.2まで回復したそうです。
本当にすばらしいことです。ぜひ日本でもこの手術が定着して多くの患者さんの目に光がもどることを願っております。








「what's New No.68」を追加しました。

最終更新日 2014年8月4日

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荒木大介 院長・医学博士
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日本障害者歯科学会
日本先進インプラント医療学会
日本アンチエイジング歯科学会 認定医